2006年02月28日

熟年とエロス

数多くの熟年カップルへのインタビューを通じ、熟年層の性、恋愛といった側面を炙り出す試みです。著者も言うように、本書における“エロス”とは、性行為を含めた異性との交流によって培われた、人をにじり寄らせるような人間的魅力だ、としています。このことを踏まえて本書を読むことで、人間の成長と成熟、そしてそこに生まれる魅力(エロス)というものが伝わってくるのではないでしょうか。

そして、これからの高齢化社会における、人生のクオリティというものに対する考え方が新たに生じてくるように思います。いみじくも著者は前書きで「恋せよ熟年」と言っていますが、まさに言いえて妙です。

2006年02月27日

愛に飢えてる人びと

「仕事を通り越し、友人や知人、または訳のわからない関係に至ってしまった人々で、私の日常そのもの」という“愛に飢えている人々”が、これでもかというくらい登場する本です。ひとことで愛に飢えていると言っても、そこには性に翻弄される10代の女の子から、巨乳に群がるご老人まで、本当に様々な人々が登場します。その数ザッと60人。

文章は軽いエッセイタッチのもので、サクサク読めます。内容としては、著者の主張や考察といったものは前面には出てこず、あくまで驚きの気持ちや溜息とった感想をおりまぜつつ、プレゼンテーターとしての立場に徹している印象です。

面白かったのは、第2章の「欲望の海に溺れる人々」で、スワッピングに興じる主婦、死骸に欲情する女性、盗撮魔の不倫相手などなど、「色々な人いるなあ……」と素朴な溜息が自然と出てしまいます。

2006年02月26日

もうひとつの青春―同性愛者たち

様々な個性と経歴を持つ、どこにでもいる20代の7人の若者たち。彼らはありふれた同性愛者です。そんな彼らがHIVの恐怖と戦い、世の不条理に苦しみ、同胞達との関係や支持団体との関係に心を悩ませて行く姿が、著者による永年にわたる丁寧な取材によって真っ向から描かれ、ありのままの迫力をもって迫ってきます。

青年の家で起こったある事件から、都を相手に訴えを起こしていきますが、そこに表れるのは、異性愛者の国“日本”の無理解な姿でした。耳を疑いたくなるような発言から透けて見える、社会の硬直性と差別意識に、やり切れない思いになると同時に、マイノリティの現実というものに愕然とさせられます。あなたも、彼ら7人のすさまじくも切ない青春模様を読み取って欲しいと思います。

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社会文化とセクシュアリティを研究する、読書好きの男性です。