ポリセクシュアル・ラヴ―ひとつではない愛のかたち
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本書のタイトルである「ポリセクシュアル」という言葉が表すように、本書の内容は、対立する2つの性の間に存在する、多様な要素を取り上げることが特徴になっています。シーメールをテーマにした章では、男らしさ、女らしさという文化的側面と、肉体的差異、そして、心の性の渾然となった状態を、キムという人物や映画を上手く取り上げながら論じています。
本書を読むことで、純粋な男性・女性というものが実在すると信じてしまうことが、結果として人間の性をひどく貧しいイメージにしてしまうのでは、と気付かされます。あわせて、「性“別”」としてシッカリと別れているものとしてではなく、変容し、境界の曖昧な領域が存在するという理解は、セクシュアルマイノリティに対する理解を深いものにしてくれると思います。
1 衣擦れのクィアたち
(1)プードル、ポリエステル、ディヴァイン
(2)ポリエステル・スーツの男
(3)女物のセクシュアリティ
(4)ヴォーギング――その多層性をめぐって
(5)羨望と模倣
(6)トランス・ジェンダーの男たち
(7)九〇年代――銀幕に舞うドラッグクィーン
(8)ジャック・スミスと『燃え上がる生物』
2 去勢の遠近法
(1)生殖器の不在がもたらす生の過剰
(2)『李蓮英 清朝最後の宦官』
(3)インドの性の越境者、ヒジュラ
(4)カストラート――映像と実像
3 美しきシーメール――幻視と幻想のはざまで
(1)夜中を過ぎて、ぞくぞくと集まる「美女」たち
(2)シネマ・トランスセクシュアル
(3)キム――美しき両性
(4)性別とは幻影である
(5)クライング・シーメール
(6)M・バタフライが飛んだ――虚実皮膜の性と生
(7)偽ることによってのみ存在する愛
4 バイセクシュアル――存在しないという神話
(1)ロンドンから
(2)とらえどころのないバイセクシュアル?
(3)異性とセックスする同性愛者
(4)両性愛度
(5)『日曜日は別れの時』
(6)バイはファジーか