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異性愛をめぐる対話

私たち社会の日常のなかで当たり前のこととして省みられることの無い、「人間が異性を好きになること」にスポットを当て、これを「異性愛」という言葉で明示的にあらわし、セクシュアリティに関わる人々の対談を通じてその内実に迫る本です。当たり前と思っていることの中に隠されている矛盾や、問題が明らかになっていくプロセスは注目です。

宮淑子氏の語る「主婦は“家庭内援交”という感覚を持っている」という指摘はショッキングです。と同時に、夫婦という心の繋がりと各々の自分らしさと、夫婦という社会的な枠との齟齬を考え合わせるとき、この家庭内援交という考え方にリアリティを感じもします。

また、丸山氏との対談の中では、学校の授業で「性」という言葉を聞いて思い浮かぶイメージを子供達にきくと「いやらしい言葉」でいっぱいになるという件が出てきます。そして、この理由を尋ねてみると、「そういうもんだとされてきたから」という答えが返ってきたそうです。この事実から、我々の文化の枠というものの強固さが表されているのを見る思いがします。

最後に本書は、こういった“枠(わく)”や“当たり前”も、ある社会的な力で生み出されてきたのであれば、時代が変わればまた新しい“当たり前”が生み出されるはずだとし、現在はその夜明け前なのではないだろうか、という言葉で締めくくっています。

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