セクシュアル・ライツ―人類最後の人権
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「セクシュアルライツ」ときいて、それが何であるかが直ぐにわかる人は、現状ではそう多くは無いでしょう。著者曰く、“最後の人権”とまで言い切るセクシュアルライツとは何なのか、そしてそれは我々に何をもたらすのかということについて、本書は順を追いながら、その問題点も含め解説されています。
第1章では、「プライバシー」という名の「人権」の基底は「性」であるとし、この性への人権感覚の欠如が、女性やマイノリティの人々のセクシュアリティを差別し、貧しい状況に追い込んでいると指摘します。なるほど、このことは、例えば学校で男の子にからだのことでからかわれる女の子や、ゲイを笑いのネタにするメディアといったものを振り返ってみることでも納得できる点です。著者は、この視点を基本とし、性器の自立性やプライバシー、学習の権利といった部分に言及しています。
第5章からの「問題点からの開放」では、“子供の性の学習権”というと捉え方を切り口に、子供の性の人権が持つ意味と現状での問題点を考えています。他にも、これまで「男・女らしさ」と呼ばれていたものが、このセクシュアルライツに照らした場合、これらがどういった意味において問題であるのかが、あらためて明らかにされています。
第10章の「セクシュアルライツの行方」では、今後の展望と、乗り越えて行くべき課題が取り上げられています。著者の言う、「21世紀は性的自立と共生の実現へ」というスローガンが実現するかどうかは、読者一人ひとりの感想を待たねばならないでしょう。