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ローマ人の愛と性

「性愛を語ることはその社会の深層にふれることになるのではないでしょうか」と語る著者は、平和と繁栄そして恥辱と悪徳に満ちていたと言われる“ローマ時代”の風俗文化を詳細に振り返りながら、そこにヨーロッパ的心性の成立を見つけていきます。

著者は、単にローマ人の堕落と退廃を再確認しようとしたのではなく、それらの現象を認めながらも、その裏に潜むローマ人の意識と人々の結びつきのありさまについて考えてみようとしたのだと言います。つまり、当時の人々がローマの世の営みを堕落や退廃として感じることそのものが、解き明かすべき問題だということです。

本書では、このことを考えるモチーフのひとつとして諷刺詩人の作品を取り上げており、ここにあらわれる“性の汚れ”に着目することで、詩人達の感性の鋭敏さを通した“まなざしの変質”を見ることが出来ます。堕落と退廃から「内なる世界をみつめる心」という流れは、著者も言うように人類史を考える際の大きなポイントとして意味を持つものだと言えます。

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プロローグ
1 この世は恥辱と悪徳に満ち満ちている
2 相異なる顔をもつローマ人
3 表象と心象―歴史の逆説
4 「結婚」と夫婦愛
5 「自分を見つめる心」と道徳
エピローグ


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社会文化とセクシュアリティを研究する、読書好きの男性です。