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アジアの性

「現代の性にまつわりついている奇妙な明るさは、権威や価値としての秘密意識やタブー感がうしなわれてしまったところに発生してきている」という著者は、本書において、拠るべき基準や権威がないところで議論を進めなくてはならない困難さをあげつつ、性を論じています。

本書の特徴は、ヨーロッパ古代人や韓半島の人々と日本人が交錯したところで性の問題を論じ、性という観点を通じた古今東西の比較文化論になっている点です。さらに、日本人のセクシュアリティを日本の固有性の中に閉じ込めず、アジア・ヨーロッパという広い展望の中に持ち出し、その普遍性と特殊性を明らかにしようと試みています。

本書の最終章では、シンポジウムの議事録が収めれていますが、その中で「韓国のフェミニズムは“長女のフェミニズム”だと思う」という発言があるのが興味深いです。韓国の家父長制的な儒教とフェミニズムとが重なっていることによって、自身に家父長制を持ちながらそれと闘って行かなくてはならない困難に言及しています。

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社会文化とセクシュアリティを研究する、読書好きの男性です。