明治のセクシュアリティ―差別の心性史
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本書は、明治の社会変革がもたらした思考の枠組みの変化、すなわちセクシュアリティ観、下層社会観、家庭観の三つ誕生を見つめることで、人々の差別意識の深層の変容や、セクシュアリティ観の二極分化といったものが、違った形で浮かび上がってくることを指摘しています。
江戸にもあったはずの“悪臭”が、なぜ明治期になって過剰に意識され始めたのか、そして日本的セクシュアリティ観が“家庭”という新たな概念のなかから排除されていく理由とはなにか、そういった興味深いテーマを、当時問題になっていた“社会の階層化・貧民層”を踏まえつつ取り上げられています。
そして、これらを辿って行くことで、現在の日本社会の、とある問題を浮かび上がらせることが出来ることが分かってきます。臭いと家庭というファクターと性との三者を関連させて考察されたものとして、独自のスタンスを持った本と言えます。