イスラーム世界の女性たち
|
|
イスラーム世界という、我々日本人にとってはその漠然としたイメージだけが大きく一人歩きをしてしまっていると思われますが、本書では、その世界で生きる女性達の真の姿を描くことによって、理解と偏見を無くそうと試みています。
まず冒頭でイスラームの世界地図が示されているのですが、これを見ると、まさに世界の半分はイスラーム世界なのだという事実に今更ながら驚かされます。
第3章では「イスラームの平等意識」について書かれており、「神聖不可侵な差別」というショッキングなキーワードが目に飛び込んできます。「自由民と奴隷」「信者と異教徒」といった項目が並びますが、こういったキーワードにネガティブに反応してしまうことが、まさに(戦後日本の)日本人的な部分であり、虚心に現地世界の文化常識に耳を傾ける必要があるのでしょう。
そして、そのことを通じて、それらのキーワードが我々の概念とは違った角度から捉えられ文化として成熟してきたことに気付かされます。
と同時に、イスラーム世界の中でも価値観の変化のうねりが存在するとのことです。例えば、革命といったものが実際にイスラーム世界ではどういったものなのか、ということにも触れられているため、イスラーム文化のダイナミックな側面も本書を通じてしっかりと窺い知ることが出来ます。